Redhat系のファイル管理コマンドにはrpmとyumがあります。rpm コマンドは、rpm 形式のパッケージを管理するときに使います。yum コマンドも、rpm 形式のパッケージを管理するときに使います。
yum は内部で rpm を呼び出して使っています。そして rpm より高度な機能を提供しています。通常は yum を使ったほうが便利だと思います。主に下記のような違いがあります。
(1) 依存関係の解決
rpm : 依存関係のあるパッケージを自動ではインストールしてくれない。
yum : 依存関係のあるパッケージを自動でインストールしてくれる。
(2) インストール時のパッケージ名指定
rpm : パッケージファイル(拡張子が「.rpm)の完全な名前(or URL)を指定する必要がある。
yum : 必要なのはパッケージ名のみ。
(3) インストールされていないパッケージの検索
rpm : インストールされていないパッケージの情報検索には不向き。
yum : リポジトリを参照することで、インストールされていないパッケージ情報も検索できる。
rpm とは、RedHat Package Manager の略で、プログラムなどのバイナリファイルや設定ファイル、ドキュメントなどがひとまとめになったものを指します。rpm というコマンドを使用することで、簡単にインストール・アップデート・削除の実行と管理が行えます。
rpm コマンドは、次のように使用します。
・パッケージのインストール
$ rpm -ivh ファイル名
・パッケージのアップグレード
$ rpm -Uvh ファイル名
・パッケージの削除
$ rpm -e ファイル名
・パッケージの存在を確認する
$ rpm -q ファイル名(の一部)
・インストール済み全rpmファイルの確認
$ rpm -qa
yumコマンドでは、RPMパッケージのインストールやアンインストール、アップデートなどを行うことができます。
インストール
・パッケージをインストール
$ yum install <パッケージ>
・パッケージグループをインストール
$ yum groupinstall <パッケージグループ>
アップデート
・パッケージをアップデート
$ yum update
・パッケージグループをアップデートします。
$ yum groupupdate <パッケージグループ>
アップデート可能なパッケージの一覧を表示します。
$ yum check-update
アンインストール
・パッケージをアンインストール
$ yum remove <パッケージ>
・<パッケージグループ>をアンインストール
$ yum groupremove <パッケージグループ>
一覧表示
・インストール済みおよびリポジトリにあるパッケージ一覧を表示
$ yum list installed
・インストールできるパッケージの一覧表示
$ yum list available
アップデートできるパッケージの一覧表示
$ yum list updates
・パッケージグループの一覧を表示
$ yum grouplist
・隠されているパッケージグループも含め、すべてのパッケージグループの一覧が表示
$ yum grouplist hidden
検索
・パッケージ名やパッケージの説明、含まれるファイルなどに<キーワード>が含まれるファイルを検索
$ yum search <キーワード>
削除
・ダウンロードしたパッケージを削除
$ yum clean packages
・ダウンロードしたヘッダーファイルを削除
$ yum clean headers
・ダウンロードしたメタデータを削除
$ yum clean metadata
・メタデータに高速にアクセスするためのDBキャッシュを削除
$ yum clean dbcache
・全てのキャッシュを削除
$ yum clean all
その他
・パッケージの依存関係を表示
$ yum deplist <パッケージ>
・パッケージの詳細情報を表示
$ yum info <パッケージ>